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漂う心

精神科に通院する女の奇妙な生活

*Admin

Category [小説 ] 記事一覧

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同情なのか愛情なのか・・・

暫くすると、アパートの鍵を開ける音がした。拓也が来たらしい。全身びしょぬれの上にビール片手・・・うつろな眼をした私に彼は言葉も出なかったようだ。いや、ただただ呆れていたのかもしれない。無言で食卓の上にある、吸殻がいっぱいの灰皿を片付け始めた。そしてベレンダに干しっぱなしの湿った下着とジャージを手にすると私の服をぬがし、まるで介護士のように私の着替えに取り掛かった。沈黙を破るように一言「今度は、いつ...

漂う心:明日は晴れるかな

病院から出ると外は大雨だった。天気なんて最近気にもしていなかったので傘なんてもってない。雨の中をずぶ濡れで歩くのも悪くない。コンビニの看板を見つけた時は久しぶりに嬉しいという感情が湧き出てきた。ビールにありつける。店員は怪訝そうに私をみたが、そんな事お構いなしにビールを数本購入。家路へいそいだ。アパートの鍵を開けると、いつもの現実がそこにあった。すきで病気になったわけではないが・・・部屋に入るなり...

漂う心:この薬で死ねますか?

坑不安剤、精神安定剤、睡眠薬。計4種類の薬が処方された一応尋ねてみた主治医にである「これ、みんな一度に飲んだら死ねますか?」彼は表情ひとつ変えずに答えた「そんな時代遅れの薬は処方しません」「なんだ、残念だわ」心の中でつぶやく私がいた薬剤師のお姉さんは一生懸命、薬の服用の説明をしてくれたが最近は薬の効能とか副作用とかの明細を書いてある紙を渡してくれるので相も変わらず、ぼーっと聞いてる自分が怖かったも...

漂う心:病名「パニック障害 鬱病」

遠くから足音が聞こえてきた。ベットの上で身動き取れない私の元へ医者が近づいてきた「単刀直入に申し上げます」癌の告知でもするような神妙な顔で私を彼は見つめた「病名はパニック障害、それに鬱病も併発しております」パニック障害?鬱病?「自傷行為もございますが・・お一人暮らしですか?」「はい」「誰か・・たとえば恋人とか、そばにいてくれる方はいらっしゃいますか?」「はい」いくつも質問されたが、私には日本語に聞...

漂う心:カウンセリングって・・・嫌い

開口一番に彼女は言った「お風呂は入れますか?」なんちゅう質問だ!正直、苦痛なのは確かである。怖いのと、からだがだるいのと・・いろいろ理由をつけてお風呂に入れない日が続くこともある。「入れません」正直に答えた。やっぱり、彼女の表情がそういう風に見えた。「では育った環境から教えていただきますか?」とにかく、質問攻めである。私生児である事学生時代は優等生だったこと離婚歴があること、その原因はDVであったこ...

漂う心:カウンセラー

久しぶりにシャバへ出てきた(笑)ジャアージ姿で深夜、ビール数本とスナック菓子を買い求めるくらいしか下界に降りてこなかったからなのだろうか、太陽の異様な輝きは私を又、不機嫌にするのだった。少々足をふらつかせながらも病院へはたどり着いた。なぜか自分を褒めてやりたかった。精神科(今では心療内科と呼ぶ方が多いらしいが)の扉は私が思うほど、さほど重くは感じなかった。受付を済ませ暫くすると白衣を着た女性が声を...

漂う心:封印を開ける

あれから数ヶ月が経った・・・・会社は当然のごとく解雇された。布団に包まり蓑虫のような毎日が過ぎていった。不安と恐怖、過呼吸という死神と同居していた。時々友人が食料を持ち見舞いに来てくれたがあまり嬉しくもなかった。拓也の訪問さえも断れるのなら断りたかったのだが、さすがに彼氏を追い出す元気なども持ち合わせていなかったのだ。ゴミで散乱した部屋をみられるのが恥ずかしかったわけでもない、あまり人と接触したく...

漂う心:男への復讐

病院からはひとりでタクシーで帰った。こんな奇妙な女とは付き合えないとばかりに彼はそそくさと逃げてしまったからである。心療内科への招待状はわたしの部屋に届ける相手がいない手紙のようにひっそりと眠っていた。自分はまんじりともせず、抱き枕を友にアパートのこもり動けなかったのだ。又、いつあのような状態が訪れるのか恐怖で死神と同居しているような自分にも酔いしれていた。なぜか心地よかった。会社に対してもわたし...

漂う心:心療内科への招待状

病院に着いた時は、なぜか症状は治まっていた。あんなに苦しい思いが平常心になっているのである。検査の結果、何処も異常なし・・・どういうこと?不可思議な自分の身体の宇宙生態にこれからやってくる侵略者の足音に気づかずにいた。「明日心療内科へ行ってください。紹介状をお渡しします」唇の薄い冷たい印象の医者からの言葉が日本語に聞こえなかったのは私の中の知ったかぶり女が顔を出したのだろう。...

漂う心:それは突然に・・・・・

精液の匂いの充満するワンルーム・・・SEXの後のたばこは恐いくらいおいしい。よく小説でそういうくだりを読んだ事が記憶にある。ほっとしていた狂おしいくらいの激しい行為のあとの言葉にできない安堵感。しかし、その日の私は突然に動悸・胸痛・過呼吸・号泣、何者かに捕らわれたように発狂した。死への恐怖感を生まれて初めて知った瞬間だった「撥が当たったか」一瞬脳裏を掠めたのは恋人拓也の顔だった。彼は救急車を呼ぶのを...
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